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202109/17
若い先生たちに伝えたいこと 12「子どもの願いをかなえましょう」

教師は子どもとのやり取りの中で願いをくみ取り、できる範囲で応じることも必要です。
もちろん、突拍子もないことはできませんが、小さな願いをかなえてやることによって、子どもたちの満足感を高めてやることも大切なのです。
その例をご紹介します。

まず、算数の授業でのことです。
算数では、課題が終わった子どもたちがミニ先生になって、分からなくて困っている友達を教えたり、丸付けを手伝ってくれたりすることがあります。
その際、赤鉛筆を使うよりも、赤のサインペンやボールペンを使って先生の真似をすることを、子どもたちは好みます。
私は彼らの願いをかなえるため、鉛筆立てには数本のペンを用意しておいたのです。

ところが、ある教師が、「子どもは赤鉛筆を持っているんだから、それを使わせるべきだ」と言ってきたことがありました。

確かに小学生が自分の学習のために赤鉛筆を使うことは、理にかなっていると思います。
ボールペンを持ってきてもいいという規則にすると、たくさんの色を揃えたくなったり、ボールペンのメーカーなどを競い合ったりすることが懸念されるからです。

しかし、子どもなりにボランティア精神を発揮し、ペンを使って友達のワークシートに丸を付けてあげることを禁止するのは違うと感じました。

もうひとつの例です。
最も印象に残っている子どもの願いは、6年生を担任したときに起きました。

彼らは卒業式を前に、友達に言葉のプレゼントを考えていました。
そして、みんなの前でペアごとに、紙に書いた言葉をプレゼントすることになったのです。

その際、どうしても「徹子の部屋」風にやりたいという声が上がりました。
なんと、色画用紙で玉ねぎ型のカツラまで用意し出したのです。

それで、司会者となる子どもがカツラを被り、ペアになった友達のプレゼント交換の場を取り仕切るという形になりました。
当然のことですが、授業はとても盛り上がりました。きっと彼らにとってもいい思い出になったと思います。

学校生活は、ワクワクできることが見え隠れしていなければなりません。子どもにとって一日の大半を過ごす学校は、楽しいものでなければならないと思うからです。

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