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202110/01
学習のプロセス「思考への支援」

人は、間断なく頭の中に画像を映し出しています。
何かを思い出したかと思うと、隣の人のことが気になったり、そうかと思えばテレビの画面に目が移ったり、頭の中には言葉や絵が浮かんでは消えていくのです。

授業中はそんな頭の中に、見たり聞いたりしたことを映し出し、記憶と照らし合わせて理解するという、コンピューター以上の作業を行なっています。
まずは、それが奇跡的に行われているのだということを念頭に置いてください。

学校での成績が良かったという意味で非常に頭のいい大人は、このような作業が未熟で理解につまずく子どもに、共感を寄せられないことがあります。

「何で分からないの?」という疑問符が浮かんでしまうようです。
そんな気持ちで子どもに接しても、何の成果も上げられないことを知っておくべきです。

さて、何度も説明してきたように、人は情報を受け取るとそれを記憶と照らし合わせて理解し、関連する素材をテーブルに並べて組み立てるようなイメージで思考します。

そこには、関連する素材を思い出すための記憶、並べた複数の素材を記憶しておく力、経験に基づいて組み立てる力などが関わっているのだろうと思われます。

いうまでもなく、この作業も複雑で奇跡的なものです。

クラスの中には、この作業に関わるための記憶力の小さい子どもがいます。
10個の素材を覚えておいて並べ替える力のある子どもがいる一方で、2つの事柄を結びつけることにも困難な子どももいるのです。

一人一人の個性や特性に配慮しなければならないのは、思考させるときも同様です。

必要に応じて、思考の素材となるものを黒板に書いて示す、カードに言葉を書いて貼り付け並べ替えられるようにするなどの支援をしていきましょう。

実際に並べ替えることで考えがまとまっていくことを体験できますし、頭の中だけで並べるための訓練になります。

また、ポイントとなる言葉(素材)を示すことで、「大事なこと」を選び出す練習にもなります。

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